学生からの質問(2000年10月24日)

学生(1・2年次生)の質問に学生(修士学生)が答える、の第二弾です。
今回は、質問のいくつかに岡田の補足>として、簡単なコメントを付しました。
修士学生の回答を読むと、学部・大学院を通してどのような勉強をしてきたのかよく分かります。
Y.K.君、学生の質問にもっとまじめに回答してあげてください。


社会工学入門Ⅰ 建築家の守りの戦術(2) ハード・ソフト系:都市(都市を襲う力)


35組
回答者:修士2年生(H.O.)

1.昔の建築素材は自然物(木,土,石)等であり環境にやさしかったが,やがてごみになる建材を使っている今,昔の建材を使っていくことは無理なのだろうか?
A.単純にはできるかもしれない.しかし現在は建材,施工においてリサイクルの研究が活発になされ,最終的にゼロエミッション(無廃棄)を目指している.

2.建築が無計画,無秩序に建てられていくスプロール現象に良い面はまったく無いのだろうか?
A.都市計画,都市防災,その他にとっても,無計画さに良い面は取りあえず無いでしょう.

3.今もっとも注目されている建築素材はなにか?
A..再利用可能な素材,もしくは廃棄利用の素材でしょう.

4.高齢化社会が問題になっているが,若年層が減るということは都市化も防げるのか?
A.変化の速度は多少変わるかもしれないが,それだけでは防げないであろう.都市化の原因が若年層だけに関係するわけではない.

5.都市化が進みいろいろな問題が起こった際に,土木建築関係以外でも協力が必要であるが,具体的な協力はどんなことが必要なのか?
A.都市化緩和の為にこれからは特に,通信分野関係との協力は欠かせないでしょう.

6.日本の都市で一番防災に関して優秀な都市のモデルはどこになるんでしょうか?
A.一番は分からないが,東海地方都市の防災意識の高さは参考になるだろう.

7.日本で一番スプロール現象が起こっているところはどこですか?
A..都市としてはどこでもおこっているでしょう.都市の中の場所としては,特に都市部に隣接し田畑から住宅地への転用が可能な所です.

8.都市化が進みすぎるとどうなるか?
A.ゆとりのある生活,人間的生活などからより遠ざかるのではないか.

9.都市化により何故生活水準が上がらず都市環境の整備もなされないのか不思議だ?
A.生活水準が上がらないのは,都市化が下げる要因をはらんでいるから.都市環境の整備はその大きさを問わなければ,所々でなされているのではないか.

岡田の補足>適正規模を越えた都市化は、社会構造の二極分化(リッチ社会とスラム社会への分化)を進めてしまうこと、またヒートアイランド化など微気候にも悪影響を与えてしまうこと、さらに地域の危険度を知らない新参者の増加による災害文化の不継承等々、災害への脆弱化も進行してしまう。このような社会・文化・環境構造の悪化は行政主導の都市基幹整備事業のみでは改善が難しいことは、講義で解説しました。

10.都市化の限界について教えてください.
A.都市化のもたらす魅力が,同時にもたらされる都市化問題に負けた時.

11.地震にもっとも強い家とするにはどういった構造が最も効果的なのですか?
A.コストを度外視すれば,地震動の入力を抑える免震構造,入力した建物のゆれを抑える制震構造を採り入れるのが効果的ではないのだろうか.

岡田の補足>家屋の構造力学的耐震性についての質問であろうが、災害はハードウェアの欠陥のみからもたらされるものではないことを、常に意識しておいてもらいたい。

12.都市化が進むのを止めるのに有効な手段は無いのか?
A.”都市”部以外で都市部に見られるもの以外の魅力を引き出す努力をすること.

13.実際に防災の方法にはどのようなものがあるのか?
A.建物そのものを構造的に地震動に強くする方法,また,東京都の白髭地区にはいくつかの建物が公園を囲み,災害時には建物が巨大な防炎壁になるような方法も実践されている.また,都市の中では帯状の公園を避難場所,防炎帯にするケースも見られる.建物にこだわらなければ.都市同士の支援協定,地域防災計画,ハザードマップの作成,危険地区の広報活動,災害に対する啓蒙活動など,あるのではないか.

14.高度情報化社会において,都市化の形は変わっていくのでしょうか?
A.情報の流れの変化が,物と人の流れを変え,やがて都市のあり方は変わるでしょう.

15.「人口移動」とは通勤などの一時的なものか?移住のようなものか?
A.ここでは双方を指しているのではないか.地方都市から中心部への移転による集中,機能集中により,さらに中心部への移動による集中.

岡田の補足>回答者は講義を聴いていないので、答えにくい質問である。講義を聴いていたならば、講義で扱った「人口移動」は後者のことであるのは、明らかであろう。

16.Populationの面からの防災対策のアプローチを知りたい.
A.地方の魅力の見なおし,情報通信技術の向上と広い浸透,移動手段の高速化等による人口の分散

17.一般的な災害,地震なども都市に起こると都市災害となりうるのか?
A.地震だけでなく,豪雨,豪雪などが,複雑化した都市の機能を麻痺させる,または破壊する事はまさに都市災害であろう.

岡田の補足>都市化災害・都市型災害・都市災害の違いも考えてみよう。

18.Urbanizationによって都市での建物と,地方での建物に求められるものが変わると思うが,どういう風にそれに対応するのか?
A.それぞれ求められているものを長期的に,的確に把握し具現化すること.

19.実生活に基づいた建築家の仕事,つまり住人と建築家とが直接かかわるような状況はどういう時に存在するのか?
A.マイホームを作り上げるとき等.住人の漠然とした要望,またはイメージを,話し合いを重ね,昇華して形にする時など.

20.何故東京の人口が最近になって減ってきたのか?
A.情報,物の伝達速度の向上,価値観の変化により,東京の魅力が減少したからでしょう.

21.都市化=豊かさ になるのだろうか?
A.そういう人もいるとおもいますが,”豊かさ”のとらえ方で大きく変わるのではないでしょうか.

22.今日の都市化は問題があったとしても手をうつことが殆どできない.どうすれば良いのか?
A.問題の大きさ複雑さで,即時的解決ができない問題が多いと思うが,長期的な展望にたつ事で解決の糸口が見えるものもあるのではないか.そして1人1人が真剣に考えることが解決につながるのでしょう.

23.人口を拡散させる方法はないのか?
A.地方都市での成功の金字塔をうちたてる.また都市部にはない魅力を創出すること.

24.首都移転構想も東京の都市化が進行しすぎたために考えられたものですか?
A.勿論それもあるでしょう.しかし,それでどれだけ都市化が抑えられるのか,移転先ではどのような計画で,又,見通しで進んでいくのかが疑問です.


36組
回答者:修士1年生(Y.K.)

1.「OHPが見にくいのですがどうにかなりませんか。」
A.どうにもならないでしょう。彼の講義では、ノートを取ることよりも、話のエッセンスを理解することの方が重要だとおもいます。ですから、OHPが見えないのが原因で話が理解できなかった場合などは講義中に申し立てましょう。あと、彼の声が小さいというのも難点ですよね。そこいらへんは、きちんと言ったら変わると思います。

岡田の補足>OHPが見にくいというのは、質問ではありません。
講義のキーワードは配布プリントに記してありますし、OHPで重要なことは板書しています。大講堂での講義なので、限界はあるでしょうが。見えないと思ったら、早めに入室し、前の席に座ることです。簡単なことです。
マイクを使用しているので、声が聞こえないということはないでしょう。

2.「都市化は止められないのか。」(6)

3.「都市に政府機関が集中しており、災害が東京を直撃した場合に対応できるのか。」

4.「人口移動モデルや災害モデルを数式化するのは何故ですか。」


37組
回答者:修士1年生(Y.N.)

1.現在の日本の都市における安全性は本当に高いのか
どこと比較してなのかはわかりませんが、他国と比較するなら相対的には高いと思われます。しかし阪神大震災の例からもわかるようにまだまだ課題は残っており、安全性の高い都市追求の多角的な研究が成されているのでしょう

2.リスクは制御によってどの程度まで抑えられるのか
(類似:実際に災害の起きないような都市は将来出てくるのか)
最終目標は災害(特に人的被害)がゼロになることなのだと思います。
しかしながらゼロにはならないと思います

3.災害を防止するには具体的に何をしたらよいのか
(類似:災害から守る手段として具体的にはどのような手段があるのか)
講義でも触れたのでしょうが、ハザードという誘因をコントロールすることはできないので、評価を十分に行いそこから逃げる・遷都するなどの対策をすること、素因については建物被害予測、人的被害予測を行い最適な対策を考えていくことでしょう

4.技術で災害をどこまで防ぐことができるのか
(類似:最も注目されている災害対策は建築ではどんなことですか)
建物の耐震を強化すること(制震・免震)など

5.札幌は冬の防災対策が考えられていないといわれるが実際のところはどうなのか
札幌は幅広い防災対策の方針を立てていますが、他都市との違いは特に積雪時の対策
盛られている点であることから、相対的には考えられていると思います

6.何でそんなに都市化するのでしょうね・・・
(類似:今後も都市化は進むのか/田舎のような地域は減っていくのだろうか)
今回の設問3の答えになるのでしょう。まずは都市への富の集中と人々のそれに対する期待、またそれに付随した第二次、三次産業の発達、或いは独立へのあこがれがある などの理由から
今後も都市化は進む傾向にはありますが、さまざまな都市問題の回避法は考えられると思います

7.なぜこれほど科学技術が発達した世の中なのに災害による被害が昔と変わらないのはなぜか
見た目には変わらないように見えるだけです
被害の種類も質も変わっていると思います
発達したからこそ発生する被害もあるし、発達したから以前は防ぐことのできなかった被害を防ぐことができていることもあります。大きく違うのは災害後の様々な対応が多方面から迅速に成されていることではないでしょうか。

8.都市化の方法は様々あると思うが、後進国ではどのような形態で進行することが考えられるのか
まずは都市化以前の問題を解決すること、都市化する際はそのメリットデメリットをよく把握した先進国が助言していくべきである

9.人口800万人以上の都市は発展途上国に多いがそれによりどのような利点や問題点が生じるのか
利点は家族が多いこと(??)
欠点はたくさんあると思います。
ex) 経済面の問題(あたりまえだけど)生活環境悪化 感染症 ・・・・

10.一度都市化の進行してしまった都市に対してはどのような対策が必要か
(類似:一度都市化したところで人口抑制など可能なのか)
(類似:都市化現象を無くすような努力は今日成されているのかそれともなくさずそれに対応できるように努力しているのか)
 例えば首都移転により首都機能が分散され現在の超過密状態が緩和されるなどの対策案がある

11.都市化による問題が世界的に広まっているが現時点で理想とされるような都市、または日本が注目しているような都市はあるのか
わかりません

12.現在の耐震構造は10階建てくらいだとどの程度耐えられるのか

岡田の補足>回答者が答えていないのは、質問が極めてまずいからだと思われます。学部分属後の専門教育を受ければ、質問のどこがまずいのか分かるでしょう。

13.都市災害について今年あった名古屋の堤防決壊が挙げられるがこのような災害は毎年全国で起こっているのになぜどこも工期が遅れたり計画だけで実際に工事に移れないのか政府にあるこの問題の原因は何か
修復工事が遅れるのはコスト問題があるのでしょうが、新たに堤防を作るということになると、自然破壊などの問題から簡単に決断できないということがあると思います

14.ビルなどの欠陥工事についてどうおもいますか
工事中の十分な点検・確認が必要だと思います

15.東京や大阪などの大都市における防災対策は万全なのか
万全とはいえないと思います。

16.日本ではハードの面から整えたとおっしゃっていましたがつまり日本の建物はアメリカの建物よりも強いということですか
強いと思います
(アメリカといってもそれぞれの州が一つの国のようなものですから”アメリカの建物”と一概に定義できません。その地域地域によって建物の性格も異なると思います。大きく違うのは基礎ではないでしょうか。地震の起こらない地域に基礎はほとんどなく、石ブロックの上に建物を乗せているだけという感じでした。またカリフォルニアなどでは活断層の位置が明確なためそのそばに建物を建てないという法律があります。日本は活断層がどこに位置するのか明確でないことから耐震性に優れた建物を建ててきたのでしょう)

17.日本は1950年代頃から都市化が始まったとされるが大戦前の東京などは都市ではなかったの
それまでは自然と都市が形成されていたのかもしれませんが、大戦後は廃墟と化した東京を如何に立て直したらよいかを考慮し、計画的・人工的に都市を形成していったということでは?

18.清水寺の構造は建てられた当時はなんと呼ばれていたのか
”懸造”だそうです
詳しくは日本建築図集p147参照(図書館にあり)

19.世界的な大都市で防災に比較的成功しているのはどこですか
地震大国であり先進国の日本はやはり総合的には進んでいるのではないでしょうか
しかしながら、他の地震国もそれぞれ積極的に対策を行っていると思われます


38組
回答者:修士1年生(N.K.)

1.OHPを離した方が見やすいです.
→今度からそうさせます(笑)

2.都市化が進む地域が増えることにより,過疎化のように,すたれてしまっていく地域も増えているのでしょうか?それに対する対応策はあるのですか?
→都市化と同様,過疎化も深刻な問題です.

3.防災建築物の研究はどの分野に進めばよいのですか.都市化による土地利用面の対策にはどのようなものがあげられるのでしょうか.
→地区ごとに土地の利用目的を制限したり,開発を制限する地域を設けたり,というのがあります.

4.講義により都市化の現状やその問題点はわかったのですが,では建築の分野では,どのようなアプローチにより問題を解決しようとしているのですか.
→わかりません.

岡田の補足>危険Riskのメカニズムは、Risk=Hazard×Vulnerability×Populationです。防災のアプローチは、右辺の各項目の影響を小さくするか、演算子を断ち切るかです。

5.今,東京で災害が起これば日本全体にダメージが広がると思う.それを防ぐためには都市化を止めねばならないと思うが,今,現在,どのように対処をしようとしているのだろうか?
→わかりません.

岡田の補足>都市化は止まらない。東京が被災したときの影響を少なくするためには、各自治体が東京への依存度を小さくすること・被災した東京への支援体制を強化すること・そして何よりも東京が耐震的になることです。

6.ドーナツ化現象で都心の人口が減っているけど,今土地の値段の低下で,また都心に人口が戻ってくる可能性はないのでしょうか?
→土地の値段が下がり再開発が進んで環境が整備されれば都心に人が戻ってくる可能性はあります.

7.URBANIZATIONには土地的にも人口的にも限界があると思うのだが,その限界がきたときに起こる結果としてはスプロール現象だけなのだろうか.
→ドーナツ化もあります.

8.都市化が無限に進むことがあるのか?都市化の限界は?(2)
→放っておけば人が住める場所がなくなるか,または人がいなくなるまで続くかのように思われます.

9.今後ますます世界中の国々で都市化の傾向が強くなっていくと思うが,情報システムの発展はこれに歯止めをかけることができないのでしょうか
→情報技術が人々の生活に変化をもたらす可能性はあります.しかし,それだけでは都市化に歯止めはかからない,と思うのですが・・. 

10.今,都市の機能と人口のバランスがもっともとれていて,住みやすい都市はあるのだろうか.
→機能と人口のバランスがとれていれば絶対に住みやすいというわけではないと思います.

11.本講義では都市化のデメリットばかりが挙げられたが,メリットはどうなのか.またデメリットをなくすにはどうしたらよいのか.
→講義をよく思い出して♪

12.僕は都市化だけを考えていくのはおかしいと思います.自然をいかに守るかということを視野に入れていかなくてはいけないと思いますがどうですか.
→そうですね.

岡田の補足>質問の意味がよく分かりません。自然・環境・人間の調和が都市計画の目指しているものの一つです。

13.URBANIZATIONにおいて防災のために,制御という形ではなく,ほかの増進という形で進められないでしょうか?例えば緑を増やすとか・・・
→緑を増やすことは防災に役立ち,また都市環境も改善されるでしょうから,有効な方法だと思います.

岡田の補足>質問者は、制御を抑制という意味でのみ解釈しているようです。増進(普通は促進という言葉を用いますが)も制御の一つです。

14.URBANIZATIONによる環境悪化についてもっと詳しく説明してほしい.

15.札幌市は地下街や地下鉄がかなり発達していますが,地震などが少ないのですか.もし大震災がおこったら心配です.
→地震時には地上よりも地下の方がより安全だといわれます.災害時には人及び物資の輸送に地下鉄を使う,という計画もあります.

16.札幌市の災害時の対策はどのようになっているのか?
→法律に基づき防災計画を立案し,実行しているようです.

17.そろそろ,関東に大震災が来てもおかしくないとききましたが,今起きたら東京の建築物は耐えられるのですか?
→新しい建物の多くは大丈夫ですが,古い建物や,地盤のよくない所にある建物は危ないかもしれません.

18.災害があるから都市が強くなっていく.必ずしも都市とは強いものとは限らない.災害の伴わない都市はできるのだろうか.
→災害が起こる可能性を小さくすることはできますが,ゼロにはならないと考えています.

19.世界中の都市では,具体的にどのように災害対策をしているのでしょうか?
→例えばアメリカでは,危険な場所には家を建てないなどの工夫をしています.

20.HAZARDというのは,災害の大きさのことだそうですが,それを制御するために,具体的にどのような手段をとるのでしょうか.
→災害そのものを制御することはできません.その代わりに災害が起こる可能性を予想して,それに対して対策を練ったりします.

岡田の補足>Hazardは災害の大きさではなく、入力の大きさです。災害の大きさはRiskです。

21.都市に住む人々は防災に対する知識が少ないということについて.それを改善する策はないのだろうか.防災訓練などしかないのだろうか.
→個人個人がもっと意識することが大切です.

22.災害を防ごうとするのは人間の課題と思うが,完全に失くそうとするのは自然を操ることにつながるのではないか?これは人間のおごりではないのでしょうか?
→そういうあなたにはグリーン・ピースへの参加をお勧めします.

岡田の補足>価値観の違いを話し出すと、議論ではなくなってしまいます。しかし、「災害を防ぐこと」=「自然をコントロールすること」=「自然破壊」=「人間のおごり」というのは、あまりにも短絡的です。

23.日本は地震の多い国であるので,外国より耐震には優れていると思うのですが,人の意識の上でも外国と比べると高いのですか.
→高いと思います.

24.都市化により現代の建築技術は過信されている部分がある.欠陥住宅にはどのような対策が効果的に働くのだろうか?
→こちらが教えてほしいくらいです.建設中にまめに確認するほかないのでは?

25.建築設計は知識だけですか.
→知識よりも,経験とそれに基づいた感性がより重要だと思ってます.

26.先生は日本の首都移転問題についてどのようにお考えですか?賛成ですか?
→先生,どうお考えですか?

27.日本の首都の移転は可能なのですか?
→可能です.

28.最近アフガニスタンの首都を日本人の建築家が設計したとの話を聞いたのですが,確かキャンベラなども建築家の設計によるそうですが,そのように「都市を設計」できる建築家というのはすごい(とても権威のある)人物なのでしょうか.
→日本人の建築家はとても権威のある人物ですが,キャンベラの建築家はむしろそれによって有名になった人です.だから一概には言えないのでは.

29.北海道は屯田兵などがいて,少し特殊だと思う.他の都市とはどこか違うのですか?
→明治時代以降,開拓されて作られた都市が多く,そのような都市はグリッド状であることが多いと思います.

30.都市環境の改善する上でもっとも重要なことはなんですか?
→都市への愛情です!!

31.ビルは風の通りを考えて作られているのか?
→ビル風をやわらげる工夫をしている建物はよく見かけます.

32.建築学科にいったら,災害や気象についても学ぶのですか?
→災害や気象も,都市や建築に関係の深い事柄だと思います.

33.都市化が進むと,気温が上がり,湿度が下がって,いわゆる”砂漠化現象”が起こるということなんですが,本当に砂漠化に近い状態になってしまうのでしょうか.
→コンクリートが多くを占め緑が少ないと,昼夜の温度差が激しい砂漠のような気候になる,ということではないでしょうか.

34.講義を聞いた感じでは,自分の今までの建築のイメージとはかけ離れた話だった.このような問題は環境や土木の方が近い感じがした.これらの問題には土木は関わらないのか.
→当然,土木も関わります.都市の問題は様々な要素から成っていて,多くの分野の専門家が関わっています.


再履修
回答者:修士1年生(T.H.)

1:Hazardの制御にはどのようなものがあるか?
→Risk(危険度)の間違いでは?Hazardはコントロールできないはず、せいぜい地盤の硬い敷地を選ぶくらいしかないと思われる。

2:阪神大震災のような地震災害が首都圏を襲った場合、日本全体の機能が停止すると思われるが、それに対する対策はたてられているか?
→個別には幾つか(個別の建築物の耐震、避難所の確保、水・食料・燃料・毛布などの備蓄、救助体系・指示体系の整備など)やっているかもしれないが、全体的な対策は十分に計画されていないと思われる。しかも、想定しているレベルがせいぜい『もしも、地震があっても何とかなるだろう』という程度のレベルであり、いざというときには役に立たない危険性もかなり高い。ていうか、『自分達の生きている間には、まず起きないだろう。まだ、東海地震すら起こってないし・・・』と自分達を言い聞かせているふしがあるのも否めない事実である。
それゆえ、住宅街、ビジネス街の壊滅だけならば、なんとかその場しのぎですむかもしれないが、官庁街などの中枢が破壊されたならば、強力な中央集権国家である日本は迷走することは必至であろう。実務能力に乏しい政治家など役に立たず。慌てて運び込まれる人員・物資などでさらに都市機能が混乱・マヒしてしまうと考えられる。
まあ、でも日本人はその場しのぎに強いから、何とかなるんじゃないのでしょうか。それに、地方分権、首都移転が飛躍的に進む可能性もあるかもしれません。



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