講義ニュース(2)  2004年度

大学院・都市防災学特論受講生
配信日:2004年5月6日


■ 講義初日
■ お薦めの一冊


(1)講義初日
初回にしては、快調な滑り出しだと思う。皆のそれぞれの発表にある種のこだわりを感じる。
大変に結構なことだと思う。但し、解説者側として。聴講側としては、若干の寂しさを感じる。
質問者が1名しかいなかったことは少し残念。
時間が多少タイトだったことが一因かもしれない。残った質問は、メールを使ってどんどんやってもらいたい。
この講義ニュースが、双方向となることを期待する。


(2)お薦めの一冊
この連休中に何冊か本を読んだが、気になった一冊を紹介しておこう。

関岡英之著
拒否できない日本
文春新書, 2004, \735(税込み)

ここ数年の日本の政治の流れは、米国の支配にあるという、警告書だ。
多少、ヒステリック気味に書いてあり、文体が鼻につくが、著者の立場が分かり易くて、これはこれで成功しているのかもしれない。

手にとってざっと眺めたところ、建築基準法の改正のことが載っていた。
阪神淡路大震災が勃発し、建築基準法の改正が約100年ぶりに行われたと思っていた。それは、地震に対する建築のあり方を根本的に見直すための、大改正だと思っていた。すなわち、仕様設計から性能設計への大改正のことである。しかし、事柄は大きく違っていた。日本人のための大改正なのではなくて、米国企業が日本で建築ができるしくみ改正だったのである。そして話はどんどん進む。日本が今進めている構造改革は、全て米国の要求の下に、米国の企業に都合の良い社会システムを構築するためのモノだったのだ・・・・。

という具合に話は進んでいく。これを読んで、何を信じるかは別として、我々がこれから生きていく日本社会のしくみ作りに無関心でいられるわけはない。一読し、感想を聞かせて欲しい。


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