講義資料をこのサイトから配布します。各自ダウンロードし、講義に持参のこと。
その他、休講案内などもこのサイトを使いますので、逐次チェックのこと。
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4/16第2回の学生とのQ&Aをアップしました。
次回(5/14第4回)講義資料をアップしました。
講義Q&A
【2012年4月9日】
■第1回 導入
配付資料は、以下のpdfを右クリックし、ファイル保存でダウンロードできます。
Pdf(導入 730kb)
【2012年4月16日】
■第2回 災害管理論
各回の講義は必ずテーマ(講義目的)があります。講義の冒頭でそれを述べますので、聴講に際してはテーマを常に意識して聴くように。講義終了時には、テーマの意味がざっくりとでも分かる必要があります。
今回は災害管理(防災)とは何かを、一般論的にお話しします。概念的な話が続くので、多少退屈かも知れませんが、概念的な話から具体的な対策イメージを努めて描きながら講義を聴くことが大切です。
Pdf(災害管理 1.8Mb)
学生からの質問に回答します。
まずはリスクの定義に関する質問です。
Q:リスク回避とは確率0%のように理解したのですが、具体的にどのようなことを言うのでしょうか(こな)。
A:リスクを制御する方法として[回避][予防][軽減][転嫁][保有]の5つを発生確率と損傷影響度の2軸空間で説明しました。リスク回避とは、発生確率及び影響度を0(ゼロ)に向かわせる対策の方向性を意味します。完全なリスクゼロはあり得ないので、完全なるリスク回避は不可能ですが、確率及び影響度の両方において対策をとるというものです。この考え方はリスクマネジメント一般に対応するものであり、すべての事象(自然災害、家庭内事故、化学プラント、薬物使用、事業展開等々の様々な局面において発生するリスク)に当てはまるわけではありません。たとえば、自動車乗車中に事故にあうリスクを考えてみましょう。これを回避するためには、自動車に乗らないという選択がリスク回避ということになります。その他のケースとしてリスクを伴う事業から撤退するなども回避に相当します。では地震災害に対するリスクマネジメントとして回避は対策としてあり得るのでしょうか。日本を脱出し地震の発生しない地域へ移住するというところでしょうか。
Q:危険度=発生頻度×影響程度において原発などの利便性を持ったものを評価することはできるのでしょうか?
(Risk=frequency×Impact-利便性)といった式で考えられるのでしょうか?原発の場合、トレードオフはどう考えればよいのでしょうか(にい)?
A:提示したのは危険度の評価式です。別途、利便性の評価式が必要となります。また、危険度を許容値まで抑えるために必要なコストを算定する必要があります。そして、利便性とコストとの比較と言うことで経済学的には意思決定が進むことになります。流れを言葉で説明するとこのようなことですが、評価式のすべての項目が一筋縄では決められない難しい項目であることに気づくでしょう。
原発(福島原発の場合)は便益を享受する人(東京都民)と危険を背負う人(福島県民)とが一致していないことが大問題です。社会的便益と社会的危険という広い視野での議論が必要になるでしょう。震災発生前までは、危険の補償として雇用政策や公的財政支援という形でリスク転嫁が行われ、それで福島住民も合意していたのでしょう。しかし、実際に被災すると想定以上の損失を被る現実を見せつけられ、日本人の原発に対する許容リスクレベルが相当厳しくなったということなのです。
道州制と防災との関係についての質問です。
Q:主導レベルでのメゾスケールの防災の必要性についてですが、個人的には本州での道州制の導入はメゾスケールになりうるかなとも思っていて、第2回資料も使いますので北海道もそのスケールで分化していくべきと思っていますがそこのところの理解が不十分なので、もう少し教えていただきたいです(いけ)。
A:都道府県と市町村では防災行政を担う役割が違っていますので、メゾスケールとはただ単に広がりを意味しているわけではありません。住民に一番密接な行政組織である市町村を、防災という行政組織で束ねるための提案です。道州制はいくつかの県を統合し、国のいくつかの決定権限を与えようというものです。北海道には振興局(かつての支庁)という単位がありますが、それが地震防災圏域として統合されたスケールが必要と思っています。
関連して防災行政の単位についての意見表明がありました。
Q:メゾスケール防災で岡田先生は都道府県と市区町村の中間の広がりの地域を束ねる組織が日本の防災対策で弱いと言っていたが、都市レベルではだめなのか、また違ったもので設定する場合、何の防災を軸に設定すべきなのか(せま)?
Q:防災の主導レベルでメゾスケール防災が日本で遅れている理由は何であるのか?またそれを解決するためにしなければならないことはなんなのでしょうか(わた)?
A:地震によって被害を受けるエリアというのは、県の境界や市区町村の境界に関係なく発生します。また、人々の日々の生活もこれらにまたがって生活することでなりたっています。そのため、地震により影響を受ける範囲に関係する複数の市区町村における防災対策を考える必要が出てきます。
日本の防災は、事前対策についてはトップダウン方式を取っています。国が方向を示し、県が各市区町村に防災計画の作成や減災対策の実施を依頼するという流れで動いているため、県と都道府県の間のスケールに対する防災計画の立案や減災対策を実施する組織が存在していないためです。しかし、一度被害が発生すると今度は現場からの情報でことが進むことになります。いわゆるボトムアップ型に組織が急転換することになるわけです。そのようなときに、トップダウン方式の組織形態では、現場を知らないトップの意見が鬱陶しくなるのは、世の常ですね。ひとかたまりの現場として情報を取りまとめるスケールが必要なのです。
【2012年4月23日】
■第3回 地震被害の実態
いきなりリスクの概論は難しい、との意見がありました。まずは、地震被害とはどういうものかを知ってもらうところから始めましょう。東日本大震災からまだ1年しか経っていませんので、被害映像は皆さんよく目にすることだと思います。しかし、専門家とそうでない者とでは着眼点が大きく異なるものです。東日本大震災では津波と液状化被害に焦点が当てられています。2004年と2007年には新潟県に大きな震動被害をもたらした地震が発生しています。被害映像を見ながら、そこから何が分かるのかを解説します。
Pdf(中越被災事例 4.6Mb)
Pdf(東日本大震災緊急報告 15Mb )
【2012年5月14日】
■第4回 防災政策論
夏目漱石の小説草枕の冒頭は有名です。「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。」
2年次生の時の建築序説(安全と建築)を覚えていますか。そのとき、社会の意思決定の原理について解説しました。防災政策とはそのような自然の流れに棹を差すことなのです。さて、流されるか楯突くか。防災政策のあり方(私論)を解説します。
第2回資料も使いますので持参のこと。
Pdf(防災政策論 400kb)
【2012年5月21日】
■第5回 災害の性格
災害とは社会環境に自然現象が関わることで発生します。自然現象が物理学で理解できるように、社会環境(成長過程)もある規則性を持っていることが前回までの講義で理解できたと思います。よって災害現象も物理統計モデルでマクロ的には記述が可能となるわけです。その記述の結果として、防災の方向性が議論できます。前回(防災政策論)の話が経済学的視点(人間活動)に主眼を置いた解説でしたが、今回は自然環境に主眼を置いて防災の方向性を考えてみましょう。
Pdf(災害の性格 1.4MB )
【2012年5月28日】
■第6回 地震の基礎
自然現象として地震をまず理解しよう。そこから防災へ応用できる方策が見えてくる。
Pdf(地震の基礎 650kb)
【2012年6月4日】
■第7回 確率論的地震動予測
建物の構造設計は種々の方法が提案されている。建物の用途や規模により設計方法は異なるが、最もオーソドックスな方法は許容応力度設計である。本テーマはこの考え方の根幹に関わる知識を提供する。配付資料には詳細記述されていない事項も多々出てくるので、いつも以上に集中して授業に臨むこと。
Pdf(確率論的地震動予測 317kb)
【2012年6月18日】
■ 第8回 確定論的地震動予測
震源での波の射出機構が今回のテーマです。周波数領域での波の扱い方について理解しましょう。
Pdf(確定論的地震動予測 1MB)
【2012年6月25日】
■第9回 地盤増幅問題
そろそろ大学の講義らしくなってきましたね。次はハザードに影響する最後の要素、地盤問題です。波動方程式を理解しましょう。
Pdf(地盤増幅問題 2.7MB )
【2012年7月2日】
■第10回 単体と集団のリスク制御
ハザードの話は前回で終了しました。物理学的な理解と同時に、その評価をどのようにして行うのかという工学的な理解も深めておいて下さい。さて、今回からそのハザードに対してどのように防御していくかという対策の話を開始します。建物単体を対象とする場合(建築構造分野の話)と集合としての地域や都市を対象とする場合(都市防災分野の話)とでは、方法論も変わってきます。
Pdf(リスク制御 1.7 MB)
【2012年7月9日】
■ 第11回 都市防災の基礎
前回の積み残し「集団のリスク制御」と「都市防災の基礎」を一気にやっつけます。集団リスク制御は主として地震動からの都市防災で、方法論はリスクマップをどのようにして活用するかと言う問題に帰着します。後半の都市防災は主として火災延焼からの都市防災という枠組みです。
Pdf(リスクマップ 863kb)
Pdf(都市防災の基礎 173kb)
【2012年7月23日】
■第12回 人的被害と最新の防災技術
講義は今回で最終回です。毎年のことなのですが、防災関係のお話しは時間切れとなってしまいます。第5~9回でお話しした地震工学の知識をどのように防災に生かしていくかが鍵なのですが、その鍵は第2~4回の防災哲学・倫理学・経済学がベースです。何事も同じだと思いますが、自分なりの枠組みを作り上げることが「考え方がぶれない自分」を作るのです。防災でいうなら、第2~4回が岡田流防災の枠組み、第5~9回が周辺領域の知識整理、そして第10~12回が知識の防災への応用学ということになります。
さて最終回は当研究室のメインテーマ「人的被害」を扱います。時間内に全てはお話しできないので、資料は全てつけておきますが、抜粋して説明します。当研究室の研究そのものの紹介です。
Pdf(死者 4.2MB)
Pdf(負傷者 3.4MB)
Pdf(モニタリング技術 699kb)建築学会PD資料
期末試験は7月30日です。これまでに配付した資料を、見直しておくように。また、新聞(時事問題)にも触れますので普段の社会に対する問題意識も研ぎ澄ましておいて下さい。
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